第20章 罠を仕掛ける

履歴書を送った後、園田円香は数多くの面接通知の電話やメールを受け取った。

彼女はiPadを持ち、ソファに寄りかかりながら、指先で画面をスライドさせ、これらの仕事を一つ一つ選別していた。最後に、その中の一つの仕事に目が留まった。

それは映像制作スタジオがショートドラマの俳優を募集していて、彼女の写真を見た後、彼女のルックスが非常に適していると感じ、心から出演を依頼したいと言っており、報酬も非常に良かった。

園田円香は大学で司会進行を専攻しており、エンターテインメント業界と少し関係があった。俳優ではなかったが、カメラの前に立つことはあり、いくつかの写真撮影や、テレビドラマにちょっとした出演経験もあった。

これは彼女がやりたかった仕事ではなかったが、短編動画の台頭と発展により、ショートドラマが派生し、多くのファンに支持されていることを知っていた。

そのため特徴は、期間が短く、報酬が高いということだった。

彼女が理想とする仕事にまだ巡り会えていない今、このようなアルバイトを取ることができた。

園田円香は決心した後、メールに記載されていた電話番号に電話をかけ、面接官と面接の時間と場所を約束した。

翌日。

園田円香は江川おばあさんと昼食を食べた後、外出した。

彼女は車で約束した建物に到着し、受付嬢に案内されて会議室に行き、約1分待つと、知的な雰囲気の男性が入ってきた。

「園田円香さんですね?私は渡辺文貴です。このショートドラマのプロデューサー兼監督をしています。」男性は笑顔で自己紹介した。

園田円香は立ち上がり、微笑みを返して、「渡辺さん、こんにちは。園田円香です。お会いできて嬉しいです。」

二人は礼儀正しく握手を交わし、その後座った。

渡辺文貴は他の社交辞令を言うことなく、すぐに本題に入り、園田円香に撮影内容、時間、そして報酬について説明した。

園田円香は静かに聞いていた。撮影内容は一般的な恋愛ドラマの内容で、撮影期間は1週間、報酬も彼女の予想よりも約2倍高かった。

「園田さん、大体これが全てですが、問題なければ、今すぐ契約を結べます。」

園田円香は目を上げて渡辺文貴を見て、言った。「渡辺さん、おっしゃることに確かに問題はありません。待遇も良いのですが...私の演技を試さなくていいんですか?もし私の演技が下手だったら?」