言わざるを得ないが、江口侑樹は本当に美しかった。骨格が優れており、深い目鼻立ちで、その黒い瞳が冷たい時は、侵すことのできない凛とした雰囲気を漂わせていたが、じっと見つめられると、深い愛情を感じさせるものがあった。
一目で心を奪われてしまうほどだった。
園田円香は不意に彼の眼差しに魅了され、心臓が制御不能に激しく鼓動し、彼の声に惑わされて、唇を動かした。「お...」
声が出る前に、寝室のドアが突然開き、二つの影が前後して転がり込んできた。
江川おばあさん:「あらまぁ—」
田中:「あっ—」
園田円香は全身が震え、急いで我に返り、口まで出かかった言葉を飲み込んだ。
江口侑樹は横目で江川おばあさんを見て、口角を引き上げ、わざとらしく尋ねた。「おばあさん、どうしてここに?」
江川おばあさんは盗み聞きを見つかった恥ずかしさも見せず、堂々と答えた。「私ね、この不埒な孫が円香をいじめてないか心配だったのよ」
江口侑樹は眉を上げた。「では、このようないじめ方はいかがですか?」
江川おばあさんは二人が親密に抱き合っている様子を見て、とても目の保養になると感じた。このようないじめなら、好きにさせておこう!
「まあ、そういういじめなら許してあげましょう...」江川おばあさんは口を押さえて笑った。
田中も素直に言った。「旦那様、奥様、お食事が冷めても構いませんよ。お二人はごゆっくり...後で空腹になったり、お疲れになったら、何時でもお食事をお作りしますから」
言い終わると、江川おばあさんは田中の手を引いて、まるで油を塗ったかのように素早く姿を消した。
なんという露骨な言葉...園田円香は既に赤くなっていた顔が、今度は耳まで真っ赤になった。
彼女はようやく自分がまだ江口侑樹の腕の中にいることに気付き、急いで手を伸ばして彼を押しのけ、振り返ることもなく部屋から逃げ出した。
洗面所まで走り込み、蛇口をひねって冷水を掬い、しばらく顔を洗って、やっとその熱さが収まった。
顔を上げて鏡の中の自分を見つめると、瞳孔が突然縮んだ。
先ほどの江口侑樹は、おそらく江川おばあさんが外で覗いているのに気付いていたから、突然彼女を誘惑したのだろう。なのに彼女は...もう少しで心を動かされるところだった。