第225章 徳不相応

早朝は車が少なく、スムーズに江川グループに到着した。

江口侑樹は安藤秘書と最上階に上がり、直接大会議室へ向かった。ドアを開けると、会議室にはすでに各取締役と幹部が席に着いていた。

全員の表情は非常に良くなく、会議室の雰囲気は特に重苦しかった。

江口侑樹の端正な顔には表情の変化はなく、今の感情は読み取れなかった。彼は長い脚で歩み寄り、主席に座ると、顎を少し上げて安藤秘書に言った。「接続を始めてください。」

「はい、社長。」安藤秘書は国際電話をかけ、ビデオ通話を開始した。

大きな投影スクリーンには、マイクと彼の会社の取締役たちの姿が映し出された。彼らの表情も非常に悪く、さらに怒りの色も浮かべていた。

マイクは形式的な挨拶もせず、冷たい表情で本題に入った。「江川社長、あなたの妻のスキャンダルについて、説明を求めます!」

彼らはすでに戦略的提携を結んでおり、両社は現在深い関係で結ばれていた。これは非常に良いニュースのはずで、時価総額は数倍になると予想されていたが、このような重要な時期にこんな事態が起きてしまった。

元々は国内だけの問題だったが、昨日江口侑樹が公衆の面前で園田円香を救い、あのような発言をした後、世論の矛先は江口侑樹と、その背後にある江川グループに向けられた。

ビジネスは戦場のようなもので、誰もが江川グループを妬んでいる。このような事態が起きれば、足を引っ張らないはずがない。世論は国内で急速に広がっただけでなく、国際的にも波及した。

昨日から現在まで、江口侑樹が権力で人を圧迫し、毒妻を無条件に擁護しているというニュースが、国際世論の第一位を占め、各メディアのトップニュースとなった!

そして江口侑樹が代表するのは、彼個人だけでなく、巨大な江川グループでもある。人々は彼のこのような行為が自身のイメージを損なうだけでなく、彼に本当に江川グループを率いる能力があるのかと疑問を持ち始めた。

徳不配位は大きな禁忌だ!

マイクのこの発言に、出席していた取締役たちも次々と同調した。

取締役1:「社長、奥様を守りたいお気持ちはわかりますが、今回はやり過ぎです。公衆の面前で大衆に宣戦布告し、戦うと言うのは、全国民と対立することになりませんか?」