第238章 逆境からの大逆転

彼女は携帯を手に取り画面を見ると、ウェイボーの通知が表示され、一目見ただけで表情が一変した。

赤ワインのグラスを音を立てて置くと、安藤吉実は急いで携帯のウェイボーを開き、園田円香のページに飛んだ。彼女がライブ配信を始めていることが表示されていた。

タイトルは:田中朝一教授の独占インタビュー、真実を皆様へ!

深夜にもかかわらず、この件に注目している人が多すぎて、ネットユーザーたちは一斉に園田円香の配信ルームに殺到した。

彼女が本当に田中朝一教授の潔白を証明する決定的な証拠を見つけたのか、それとも何か別の策略を企んでいるのか、確かめようとした。

お祭り騒ぎを好む人々は、事態が大きくなることを望んでいた。

安藤吉実は眉をひそめた。この段階まで来て、園田円香がまだ何か波風を立てられるとは思えなかった。

今回の各段階は綿密に計画されており、ここ数日間、園田円香を完全に押さえ込んでいたのだ。

まだもがこうというのか?

どんな言い訳をするのか、見てやろうじゃないか。

配信ルームに入る人が多すぎて、安藤吉実はしばらくクリックを続け、やっと何とか入ることができた。

画面には長いソファが映し出され、田中朝一が左側に、園田円香が右側に座り、カメラは彼らに向けられていた。

園田円香はまず事の経緯を大まかに説明し、その後、全てのカメラを田中朝一に向け、彼に言いたいことを全て話させた。

ネットユーザーたちのコメントは最初、様々な嘲笑や罵詈雑言で溢れていたが、田中朝一が明かしていく真実に、一人また一人と衝撃を受けていった。

黒幕が田中夫婦だったとは誰も予想していなかった。そして、いつも正義感の強かった彼らが、このような道徳に反し、法律を犯す行為を行っていたとは。

最も驚くべきは……田中朝一教授が、家族の利益や所謂血縁関係のために両親を庇うことを選ばず、正義の側に立ち、大義のために親を切ることを選んだことだった。

ネットユーザーたちのコメントは、次第に好意的なものへと変わっていった。