着信表示がない?
通常、知らない番号でも11桁の数字が表示されるはずなのに、この着信は意図的に隠されているのだろうか?
園田円香は少し手を震わせながら、通話ボタンを押した。「もしもし、どちら様ですか?」
電話の向こうから、明らかにボイスチェンジャーを使用した声が聞こえてきた。「園田円香、今すぐメールを確認しなさい」
そう言い残すと、相手は一方的に電話を切った。
園田円香は目を何度もパチパチさせ、呆然としていた。
これは一体何なの?いたずら電話?詐欺?
園田円香は携帯を置き、無視して指輪を手に取り、再び指にはめようとした。
しかし、途中で止まり、机の上のノートパソコンに目を向けた。
数秒迷った後、指輪を置き、立ち上がって机に向かった。
この呪わしい好奇心のせいだ!!
でも、メディア関係者として、好奇心と鋭い感覚は当然のこと。もし本当に重要な事だったら?万が一を恐れるより、用心に越したことはない。
重要なニュースを見逃すかもしれない。
園田円香は椅子を引いて座り、ノートパソコンを手前に引き寄せ、蓋を開けて起動し、メールアカウントにログインした。
案の定、5分前に届いた未読メールがあった。
送信者のアドレスを見た瞬間...彼女の目が鋭く凝固し、マウスを握る手も思わず強く握りしめた。
このアドレスは...
もし間違いなければ、2年前にこのアドレスからメールを受け取ったことがある。
その時の内容は:江口侑樹が2年前に婚約を破棄したのは、飽きたというのが本当の理由ではなく、別の事情があるということだった!興味があれば自分で調べてみろ、大きな驚きがあるはずだ!
当時は半信半疑だったが、最終的な結果は、そんな別の事情があるなんて信じた自分が最大の笑い者だということだった!
2年前に一度騙されて、今度も騙そうというつもりか?
いいだろう、今度はどんな嘘を作り出すのか見てやろう!
園田円香は冷笑しながら、マウスを動かしてメールを開いた。
今回のメールは非常に簡潔だった:江口侑樹は今、危険な状態にある。彼はあなたを必要としている!
この言葉を見て、園田円香は頭の中が疑問符だらけになり、続いて極度の呆れと笑いが込み上げてきた。
江口侑樹が危険?