第341章 お前は江口侑樹の人間か?

園田円香は元々、この高橋先生はおそらく安藤吉実からお金をもらって彼女のために働き、江川おばあさんを裏切ったのだろうと考えていた。

このような人は、通常、簡単に買収され、銃口を向け直すことができるはずだった。

しかし意外にも、骨のある人物だった。

染野早紀が彼女に伝えたところによると、昨日派遣した手下がすでに高橋先生を捕まえ、一日一晩も暗室に閉じ込めて、脅しと懐柔を尽くしたという。

高橋先生は確かに江川おばあさんの容態が悪化したのは自分が処方した薬が原因だと認めたものの、それは自分一人でやったことで、背後に指示した者は誰もいないと頑なに主張し続けた!

園田円香は非常に驚いた。

もし単にお金の問題だけなら、高橋先生がここまで安藤吉実を守るはずがない!そんなことはありえないはず!

どうやら、この件は自分が直接出向いて処理する必要がありそうだ。

園田円香は即座に決断を下した。「早紀、迎えに来て。私が会ってみる」

この件は、どうしても片付けなければならない。

江川おばあさんの身の安全が確保できてこそ、安心してアメリカに戻り、智則との生活を送ることができる。

以前も言ったように、江川おばあさんが危険期を脱したら、しっかりと償いをしたい。それが自分にできる唯一のことなのだから!

染野早紀もきっぱりと応じた。「わかった!今すぐ行くわ!」

電話を切った後、園田円香は田中と交代し、軽く顔を洗って気を引き締め、服を着替えてから病院の入り口で待っていた。

約15分後、染野早紀が車で到着し、彼女は乗り込んで郊外へと向かった。

二人とも姿を見せることができないため、暗室の入り口に着くと、染野早紀は手下を呼び出し、ノートパソコンを渡して中に持って行かせ、カメラを高橋先生に向けるよう指示した。

園田円香と染野早紀は車の中に座り、彼女たちの前にもノートパソコンが置かれ、ビデオも開いていたが、カメラレンズは黒いテープで覆われていた。

つまり、彼女たちは高橋先生を見ることができるが、高橋先生は彼女たちの声は聞こえても姿は見えないという状況だった。

ビデオが開始され、すぐに園田円香と染野早紀は高橋先生の姿を目にした。

彼は椅子に縛り付けられ、顔は殴られて青あざだらけになっていた。手下が容赦なく暴行を加えたことは明らかだった。