園田円香にとって、本題に入ることは願ってもないことだった。
園田円香は江口侑樹の黒い瞳を見つめ、冷淡な声で「いいわ、話しましょう」と言った。
江口侑樹は唇の端を歪め、テーブルの上に置いてあった茶封筒を彼女の前に投げ、軽く顎を上げて直接的に言った。「離婚協議書よ。サインしなさい」
来る途中、園田円香は様々な推測をしていた。今の江口侑樹と彼女には話すことなど何もない。彼が自ら彼女を探すとすれば、離婚のことしかないだろう。
案の定だった。
園田円香の表情はほとんど変化せず、手を伸ばしてその茶封筒を取り、開いて中から離婚協議書を取り出した。
何ページかを適当に見て、思わず冷笑を漏らした。
この離婚協議書は三年前のものとは、大きな違いがあった。
三年前、最初に渡された離婚協議書では、少なくとも1億円の慰謝料があり、その後の修正では株式の半分も与えられた。
しかし今回の離婚協議書では、何も持たずに出て行けということだった。
何一つない。
園田円香は江口侑樹の何も欲しくなかったが、株式にしても金にしても、この離婚協議書を見ていると、心の底から抑えきれない怒りが込み上げてきた。
彼女は自分がこの結婚生活で何も間違ったことをしていないと自負していた。全力で彼を愛し、妻としての責任を果たそうとした。江口侑樹への愛には、一片の不純物もなかった。
利用も策略もなく、清らかで、堂々として、後ろめたいところは何もなかった。
彼女にはただ一つ、純粋で純粋な、むしろ愚かなほど一途な、彼を愛する心があっただけだった。
でも彼は?
彼らの結婚を利用し、感情を裏切り、最後には彼女の命まで狙った。これほど多くの過ちを犯しておきながら、今になって何の権利があって、こんなにも堂々と離婚の署名を求め、無条件の退場を要求するのか。
彼女は安藤吉実を本当に嫌い、憎んでいた。しかし、この取るに足らない女と比べて、彼をもっと憎んでいた。
もし未練がなければ、必ず彼を地獄まで道連れにしていただろう。
園田円香はその離婚協議書を手に取り、まばたきもせずに真っ二つに引き裂いた。
江口侑樹は彼女の行動を見ていたが、何も言わず、ただ瞳の奥に冷たい光が走った。彼の唇の端はまだ上がったままで、声に温もりはなかった。「どうした?まだ私の株が欲しいのか?」