第408章 一切の機会を与えない

園田円香は面倒くさそうに彼を一瞥した。

染野早紀はすぐに口を開いた。「話してください。」

さっきまで安藤吉実に対しては冷静で安定していた小柳弁護士だったが、この二人の主の前では、長年司法界で鍛えられた鋼鉄の胆力も思わず萎縮してしまう。

なぜなら……この二人の女性は、美しく可憐に見えるが、普通の女性ではないからだ!

彼はただ一つの趣味があり、それはギャンブルだった。

この数年間、彼が稼いだすべてのお金はカジノに注ぎ込まれ、何度もギャンブル依存症から抜け出せず、そのために先生の弁護士チームから追放されたのだ。

幸いなことに、この三年間は安藤吉実と繋がりができた。

安藤吉実は気前がよく、彼のギャンブルの金額もどんどん大きくなっていった。

しかし最近は運が悪く、十回賭けて十一回負け、カジノに多額の借金を作り、返済する力もなかった。

彼は債権取り立ての手下に捕まり、返済できなければ手を切られるところだった。

園田円香と染野早紀はちょうどその瞬間に現れたが、彼女たちはすぐに彼を救うのではなく、冷たく条件を提示した。

もし彼が彼女たちの言う通りにするなら、彼女たちはこの借金を返済してくれるという。

拒否すれば、彼女たちは何も見なかったことにするという。

彼は最初、彼女たちが彼を必要としているのだから、きっと彼が傷つくのを見過ごすはずがないと思い、二人の若い女性なら自分が扱えると思って強気に出た。

彼は彼女たちに先に自分を救ってから、条件について話し合おうと言った。

結果、園田円香と染野早紀は冷笑して、「どうぞ手を下してください、私たちはいないものとして」と言った。

その大きな手は本当に躊躇なく、一刀彼の腕に向かって振り下ろされた。

彼は心臓が止まりそうなほど怖かったが、園田円香と染野早紀はまったく平然とした表情で、普通の人なら持つはずの恐怖の感情が微塵も見られなかった。

彼は最後の瞬間に屈服し、叫んだ。「何でも言うことを聞きます、手を切らないでください、すべて従います!!!」

そうしてようやく刀が止まった。

それ以来、彼は園田円香と染野早紀を見るたびに、思わず恐怖を感じるようになった。