第428章 来世は私が先にあなたに出会う

園田円香はすぐに答えなかった。彼女は抵抗しようとしたが、目は覚めていたものの、薬の効果がまだ完全に消えておらず、体はまだだるくて力が入らなかった。

あの分厚いロープを振り解くことなど到底できなかった。

彼女の視線は気を失っている園田智則の顔に一瞬留まり、そして爆弾の上で減り続ける数字に移った。心の中の恨みと悔しさが抑えきれずに湧き上がってきた。

ここで死ぬ運命なら、江口侑樹の前で演技する必要などないじゃないか！

「嫌よ！」

江口侑樹はこの答えに驚いた様子はなく、ただ瞳の奥に苦さが増しただけだった。「もし本人格なら、君は喜んで従うだろう、そうだろう？」

その言葉を聞いて、園田円香はとても冷静だった。まるで予想していたかのように。

第二人格の江口侑樹は元々敏感で疑い深い人だった。彼女は長い間彼を騙せるとは思っていなかった。

彼が知っていたのは、理にかなっていた。

そうでなければ、彼は「一緒に死んでくれるか」などという質問をしなかっただろう。

彼女が唯一予想できなかったのは、彼がいつ気づいたかということだった。

園田円香は口を開き、結局声に出して尋ねた。「いつ知ったの？」

いつ知ったのか……

おそらく最初から、彼は知っていたのだろう。

彼女の演技がどれほど上手くても、彼女が彼を好きかどうか、彼が感じ取れないはずがない。

結局のところ、自分を欺いていただけだった。

ただ一か八かの賭けをしたかっただけだ。もし彼が本人格のふりをし続けたら、彼女は…少しでも彼のことを好きになってくれるかもしれないと。

江口侑樹は彼女の質問に答えず、再び言った。「今この瞬間、私は君に騙し続けてほしい。」

「……」

人を騙すこと自体が間違ったことだが、園田円香は江口侑樹に対して罪悪感はなかった。結局、彼らは最初から敵対関係だったのだから。

彼もまた、彼女を騙して信頼を得ようとしていたではないか。

園田円香は唇を引き締めた。「ここまで来たのだから、もう私たちの間に偽りは必要ないわ……」

江口侑樹は彼女の言葉を遮り、追及した。「本当に私の意図が分からないのか、それとも分からないふりをしているのか？」

園田円香は黙った。

彼女はバカではない、彼の言外の意味が分からないはずがない。