第431章 心から進んで消える

警察は机の上のノートパソコンを開き、その中の一つの動画をクリックして、パソコンの画面を江川臨の方へ向けた。

江川臨は最初、軽蔑的な一瞥を投げかけたが、再生が進むにつれて、彼の目は次第に沈んでいった。

動画の中の光景は、彼にとって非常に馴染み深いものだった。葬儀場の内室で、彼はちょうどそこから離れたばかりだった。

ただし...その中の彼は、催眠状態にあった。

自分が部下の九条叔父さんに指示して江口侑樹一家三人を殺害した犯罪事実を、はっきりと告白していた。

そして彼を催眠したのは、張本雅史だった!

見終わった後、彼の顔は暗雲に覆われた!

なるほど、内室全体に異様なほど濃厚なユリの香りが充満していたわけだ。あまりにも強い香りで、彼の意識さえもうろうとしていた。

張本雅史はその一瞬の隙を利用して、彼を催眠状態に陥れたのだ!

そして彼が全く予想していなかったことに、張本雅史が彼を裏切るとは!!

だから弁護士を呼ぶように言ったのに、今になっても来ていない...

江川臨は拳を握りしめ、目の奥には憎悪の色が満ちていた。

すぐに彼は怒りを抑え、冷笑した。「いいでしょう、これは違法に入手したものですが、かろうじて物的証拠と言えるでしょう。では、人証は?」

「こんな卑怯な手段で得た証拠だけで、私は意識がはっきりしない状態で催眠されて、そのような発言をしたのです。これらは催眠術師に誘導されて言わされたことで、真実ではありません!!」

どうせ江口侑樹一家三人は死んでしまった。死人に口なしだ!

これだけの証拠では、彼を起訴することはできないだろう!

彼の背後には、強大な江川本家がある!

警察は彼がそう言うことを予想していたようで、笑みを浮かべた。「江川臨さん、我々には人証もありますよ。」

ある?

江川臨は眉をひそめた。

警察は内線電話のボタンを押し、「入ってもらって結構です」と言った。

一分後、ドアが開いた。

江川臨は反射的に振り向き、男の深い黒い瞳と、その口元の冷たく淡々とした笑みと目が合った。

証拠が目の前に並べられても江川臨の表情は微動だにしなかったが、一歩一歩近づいてくる男を見た瞬間、彼の目の色が急変した。

江口侑樹!

彼はまさか...まだ生きていたのか?