第125章：心が詰まる！（その1）

二人が食事を終えると、鈴木のお母さんは食器を片付けてから、質問を始めた。

彼女は尋ねた。「お二人とも、どうして私たちの桃の里に来られたのですか？」

特に木野元彦は最初から嘘をついて、鈴木花和の友達だと言ったのだから、きっと何か目的があるはずだ。

しかし、お腹が空いていて頼みづらかったために、そんな嘘をついたのだと分かったので、鈴木のお母さんはそれ以上追及するのはやめることにした。

木野元彦も先ほどの嘘について、少し申し訳なく思っていた。

幸いにもおばさんは気さくな人で、あまり気にしていなかった。そうでなければ、こんなに美味しい食事にありつけなかっただろう。

「えーと、えーと」木野元彦は咳払いをして、その後誠実に言った。「おばさん、私たちは桃の里が山も水も美しく、景色が素晴らしく、特に人を癒すと聞いて、わざわざ見に来たんです。」

鈴木のお母さんは鋭い目つきで彼をじっと見つめ、明らかに彼の言葉を信じていなかった。

鈴木のお母さんは直接言った。「お二人とも高級な服を着て、高級車に乗っているところを見ると、お金に困っている方々ではないでしょう。旅行するなら、有名な観光地に行けばいいのに、なぜわざわざこんな辺鄙な山奥まで来られたのですか？」

木野元彦は言葉に詰まった。

どうやら本当のことを言っても、このおばさんは信じてくれないようだ。

木野元彦は突然心が詰まる思いがした。

あの嘘つきの羊飼いの少年でさえ、何度も「狼が来た」と叫んでから、人々に信じてもらえなくなったのに。

なのに彼はたった一度の嘘しかついていないのに。

しかも、これは嘘ではなく、ただ親しみを持ってもらうために、彼女の娘との関係を借りただけなのに。

しかし、もはや弁解することはできなかった。

宮崎高空が言った。「おばさん、元彦は嘘をついていません。本当にここの景色が良くて、人を癒すと思ったから来たんです。ただ、私たちは環境を下見に来ただけで、観光目的ではないんです。」

宮崎高空のそんな説明を聞いて、鈴木のお母さんはさらに尋ねた。「どうしてですか？」

明らかに宮崎高空の言葉を信じたようだった。

これで木野元彦はますます心が詰まった。

なぜ自分が本当のことを言っても、おばさんは信じてくれないのに、宮崎高空が言うと信じてくれるのだろう。