ピーナッツと大豆は全て植え終わった。
残りは野菜を植える六畝の畑だけだ。
野菜畑について、鈴木花和は今のところビニールハウスを建てていない。
なぜなら、野菜畑は全て自家用地だが、一箇所にまとまっておらず、ここに五分、あそこに一畝というように、その間に他人の畑が入り込んでいるため、ビニールハウスを建てるのが難しいのだ。
しかし、人を雇ったおかげで、野菜畑にはかなりの野菜が植えられ、すでに四畝が完了し、残りは二畝となっている。
鈴木花和と藤田おばさんはピーナッツを、鈴木のお父さんと藤田おじさんは大豆を植えており、鈴木のお母さんは家で食事の準備をしているため、野菜畑を監督する人がいない。
野菜畑は大野原の砂地とは違い、土が湿っているため、靴を脱いで裾をまくるか長靴を履かないと歩きづらく、ズボンが汚れてしまう。
鈴木花和は鈴木和弘に「弟、お客さんたちを案内して遊びに行ってきなさい」と言った。
鈴木和弘は異議なく、この七人はピーナッツと大豆を植えて疲れ果てており、おそらく彼ら自身も畑に入りたくないだろうと考えた。
それに、この畑は砂地と違って、一度入れば間違いなく服が汚れる。彼らの服はブランド物で高価なものばかりだ。野菜を植えるために着るにはもったいない。
黒田陽次は以前、鈴木花和が自分で野菜を栽培すると聞いて、何か特別な方法があるのかと思っていたが、今になって分かったのは、彼女は本当に野菜を栽培しているだけで、しかも見たところ、普通の方法で畑仕事をしているに過ぎないということだった。
黒田陽次は尋ねた。「花和、何畝の野菜を植えているの?」
「六畝よ!」鈴木花和は答えた。
「これらの野菜の販路は見つかったの?」黒田陽次は聞いた。
鈴木花和は首を振って「今のところまだです」と答えた。
「そうか」黒田陽次はそれ以上質問しなかった。
七、八人は畦道に暫く立っていたが、すぐに鈴木和弘について離れていった。
安室始たちは以前桃の里に来て、いくつかの場所で遊んだことがある。
しかし黒田陽次たちは来たことがなく、午前中に来てすぐに作業を始め、昼食後は少し酒を飲んで休憩していた。
彼らが目を覚まして畑に着いたとき、すでに多くの人が野菜畑にいた。