第176章:宮崎高空の身分(1更)

鈴木正大の家には数十万円もする貴重な花が何鉢かあり、短時間のうちに桃の里村中に広まり、老若男女皆が知るところとなった。

村中の人々が、この高価な花を見に集まってきた。

これらの花は椿、蘭、菊などだと分かった。

この知らせを聞いて、多くの人は夕食も取らずに、日が暮れる前に、家族総出で山に野花や野草を掘りに行った。

鈴木春日が通知を出した時には、村の半分近くの人々が既に山に入っていた。

村長の鈴木春日はそれを知って眉をひそめ、心配そうだったが、自分に言い聞かせた。「これだけの人数が山に入れば、大丈夫なはずだ!」

確かに、村の半分以上の百人以上が山に入れば、多勢に無勢で、猛獣に出くわしても対処できるはずだ。

それに、村の人々は普段から山に入り慣れていて、山のすみずみまでよく知っているので、何も問題は起きないはずだった。