藤田おじさんは喜びに満ちた様子で家に戻り、青い手帳を手に取って興奮気味に言った。「純華、これ見てごらん?」
藤田おばさんも興味深そうに尋ねた。「それ何?」
「運転免許証だよ!」藤田おじさんが答えた。
「本当?」藤田おばさんは洗濯の手を止め、水で手をきれいに洗い流してから免許証を手に取って開いてみた。目が笑みで細くなりながら言った。「春明、運転免許を取得したってことは、もう運転できるってことよね?」
「当たり前さ!」藤田おじさんは誇らしげに胸を張った。
一緒に教習所に通った八人の生徒の中で、彼が最年長で、理解力は他の七人ほど高くなかったが、よく考え、質問することを恥じず、練習にも励んだ。
いくつかの科目は二回受験したものの、全て合格した。他の半分はまだ合格していないのに。