第226話:たくさんの人!

「わあ、このイチゴ本当に美味しいわ。お母さん、どこで買ったの?甘くて香りもいいわ」野村青空が帰宅すると、子供と夫はテレビを見ていた。

夫の芳村叶夫と子供の芳村加奈子は帰ってきた妻(母)をちらりと見ただけで、またテレビに目を戻した。

野村青空は近づいて、不思議そうに尋ねた。「お父さんと加奈子は何のテレビを見てるの?そんなに真剣に、そんなに深刻な顔して」

芳村加奈子が言った。「お母さん、私たち『乱世の麗人』を見てるの!うう、感動的だわ」

野村青空「……」もう何年前の映画なのよ、まだ見てるなんて。

野村青空は黙って桃の里から持ち帰ったイチゴを取り出し、テーブルに置いて言った。「はい、私がある場所に行って、美味しいものを買ってきたわ。食べてみて」

しかし父娘は妻(母)の言葉を聞いていないかのように、依然としてテレビ画面に釘付けだった。