第328章：陰で告げ口（4更）

第328章：陰で告げ口（四更）

折田一馬は息子の言葉を聞いた後、しばらく沈黙してから、淡々と反問した。「それがどうした？たとえその牛が君の友達のものだとしても、我々は奪う必要はない。直接買い取ればいいだけだ！」

折田辻司はそれを聞いて、眉をしかめ、しばらく黙り込んだ。

商人は利を重んじる！

彼らの家は金に困っていないが、誰も金が多すぎるとは思わないだろう。

父の折田一馬がこのような良い話、一攫千金の話を聞いたら、きっと乗り気になるはずだ。

折田辻司は少し沈黙してから言った。「父さん、じゃあ、いくらで買い取れると思う？」

折田一馬は一瞬戸惑い、少し考えてから言った。「三百万円でどうだ！」

ここまで言って、彼は急に気づいた。「待てよ、その人は君の友達だと言ったな？どんな友達なんだ？君の友達が、なぜ農業をしているんだ？」

彼は広瀬輝から聞いた話をよく覚えていた。それはごく普通の農家で、特別な背景や人脈はないと。

彼は広瀬輝の言葉を信じていた。

なぜなら、こういった案件を進める際には、必ず全てを調査しておく必要があるからだ。

そうしないと、万が一触れてはいけない人に触れてしまったら、大変なことになる。

しかし今、息子がイチゴを栽培している家と友達だと聞いて。

これは非常に疑わしく感じた。

Z市の権力者である彼が、なぜ田舎者と友達になったのか？

折田辻司は言った。「父さん、そのイチゴを栽培している友達は、以前Z市の大企業で働いていたんだ。でも別の理由で、Z市を離れて、故郷に戻って農業を始めたんだ。」

息子の説明を聞いて、折田一馬は何か違和感を覚えた。

彼は眉をしかめ、非常に不思議そうに尋ねた。「一体どんな理由で、君の友達がZ市を離れて、田舎に戻って農業を始めることになったんだ？」

しかし、すぐに折田辻司の返事を待たずに、彼は気づいて尋ねた。「違う。折田辻司、その友達は、男性なのか女性なのか？」

折田辻司の目が一瞬光り、その後淡々と言った。「女性です。」

「女性？」折田一馬は何かを思い出したように、さらに厳しい口調で尋ねた。「半年前、君は一人の女性のために、Z市のある大企業を買収したよな？ああ、そうだ、輝利グループだ。」

「はい！」折田辻司はさらりと答えた。「父さん、他に聞きたいことはありますか？」