第367章:2本の小さな果樹(1更)

「いや、スモモの木の穴は、こうやってこうするんだよ、分かるかい?」山の上で、二人の教授が普通の麦わら帽子を被って、指示を出していた。

「君、そう、君のことだ!」天田教授は、オレンジの木の穴を掘っている鈴木おじさんを指さして、大声で叱りつけた。「その穴の掘り方が間違っている。広すぎるんだ。肥料を入れる時に場所を取りすぎて、苗木が養分を吸収できないよ。」

鈴木おじさんは天田教授の厳しい言葉を聞いても、怒る様子は全くなく、逆に、この二人の厳しい専門家に対して、とても敬意を示していた。

彼らは皆、生まれも育ちも農村の人間で、知識人に対しては心から尊敬の念を抱いていた。

しかも、この二人の果樹の専門家は、特別に彼らの果樹栽培を指導するために招かれたのだ。

彼らが間違いを犯して、専門家に叱られても、実際には何の問題もなかった。

「そうそう、その穴の掘り方は正しい。このように掘るんだ。大きな穴の横に、半メートルの長さで二十センチの深さの小さな穴を掘って、肥料を入れる場所にするんだ。」

天田教授は説明した。「これらの苗木は植えたばかりだから、肥料を急激に吸収させてはいけない。そうしないと栄養過多になって、太陽に当たると焼け死んでしまうよ。」

この点については、普段から農作業をしている農村の人々も実際によく知っていた。

彼らが落花生や大豆を植える時と同じで、種を蒔いた後は強い肥料を与えすぎてはいけない。そうしないと、芽も出ないうちに焼けてしまう。

こちら側では天田教授が穴掘りを指導している一方で、纪伊俊和は木陰に置かれた苗木をじっと見つめていた。

いや、正確には苗木の横にある二本の大きな苗木を見つめていた。

一本はスモモの木で、明らかにかなり太く育っており、葉も生い茂っていた。纪伊俊和の推測では、この苗木はすでに二年ものだった。

来年には花が咲いて実がなるだろう。

もう一本はアンズの木で、これも枝葉が生い茂っていた。

実は、これが纪伊教授がそれらを見つめている理由ではなかった。

彼がそれらを見つめる最大の理由は、これらの木の成長が普通のスモモの木やアンズの木よりも明らかに太く、手で枝に触れると、樹皮が非常に滑らかで、涼しい感触があり、まるで生命力を感じるかのようだった。

いや、違う。

植物自体に生命力はある。