第382章:ピーナッツ油の効果

宮崎家の祖父と孫は桃の里村に長く滞在していましたが、村人たちは彼らが大都市から療養に来ているということしか知りませんでした。

どれほど大きな都市なのか、またどの都市なのか、村では鈴木花和以外誰も知りませんでした。

鈴木家の人々は彼らの素性に興味を持っていましたが、決して詮索はしませんでした。

人は自分の出身を話したければ自然と話すもので、話したくなければ、どれだけ聞いても話さないものです。

ただ今回、彼らが500キロのピーナッツ油を66万円という大金で売ったことは、鈴木日和の好奇心を大いに刺激しました。

宮崎高空は隠すことなく、淡々と言いました。「そのピーナッツ油は全て帝都に売りました。」

「あ、帝都ですか!」鈴木家の人々は帝都と聞いて、確かに驚きを隠せませんでした。

「はい、帝都です。」宮崎高空は頷きながら言いました。「私たちは帝都出身の商人です。」

商人?

鈴木家の人々は宮崎家の祖父と孫が帝都の人だと初めて知りました。

しかし帝都の人が、彼らの桃の里村というような山奥まで療養に来るとは、信じがたい話でした。

帝都からこの桃の里村までは、少なくとも2000キロメートルの道のりがあるはずです。

しかも、彼らの桃の里村は県内でも有名な貧困村で、数年前まで電気さえ通っていない貧しい村でした。

このような貧しい山村に、宮崎高空たちはどうやってたどり着いたのでしょうか?

「私は帝都の商界で少しばかりの地位があります」宮崎高空は謙虚に言いました。「同業者たちが面子を立ててくれて、自然とこのピーナッツ油が売れたのです。」

宮崎高空の素性を知っている鈴木花和は口角を引きつらせました。

国一の富豪が小商人なら、一体何が大商人なのかと思いました。

それに、彼のような商界の大物が出向けば、他の商人たちが面子を立てるのは当然のことでした。

帝都について、鈴木家の人々は親しみと疎遠さの両方を感じていました。

親しみを感じるのは、帝都が大和国の首都だからです。

疎遠に感じるのは、聞いたことはあっても行ったことがないからです。

しかし行ったことがなくても、その都がどれほど繁栄し栄えているかは想像できました。

そこには裕福な人々が数多くいます。