鈴木正大の家の山に植えたばかりの苗木が枯れて萎縮しているのは、塩喰虫が発生したためだと聞いて、村人たちは大いに驚いた。
彼らの知る限り、塩喰虫は塩分の高い土壌に発生するもので、新しく開墾された山地に発生するはずがないと思っていた。
もし鈴木花和が請け負ったこの山地が塩分の多い土地なら、こんなに雑草や木が生えるはずがない。
彼らは塩分の多い土地にはそういったものが育たないことをよく知っていた。
後に、鈴木家の人から聞いたところによると、山に塩喰虫が発生したのは牛の王の排泄物を使ったためだという。
鈴木家の人の話では、牛の王の尿にはある程度の塩分が含まれており、それが塩喰虫を引き寄せたのかもしれないとのことだった。
村人たちはそれを聞いて、疑問が解けた。
塩喰虫は破壊力が強いものの、駆除できないわけではなく、むしろ簡単に駆除できる。アルカリ性の石灰をまくだけでよい。