「何だって、輝利グループにはすでに手を出している人がいるだって?」鈴木和弘は冷酷な顔で眉をひそめた。「その人は輝利グループを守ろうとしているのか?」
真剣な表情だ。
今や輝利グループはZ市でトップクラスの大企業に成長している。それに手を出すには、さらに大きな権力が必要だ。
鈴木和弘はそのために2年間準備してきた。彼は早くから輝利グループのあらゆる証拠を集めさせていた。脱税や様々なスキャンダル、草刈輝岩が愛人を囲って息子をもうけ、家庭内で騒動になったことなどだ。
このような大企業にとって、スキャンダルは表に出なければいいが、一度暴露されれば大変なことになる。会社の株価に影響し、株価の下落を招く可能性もある。
そして、脱税に関しては最も許されないことだ。税務機関が介入して何かが発覚すれば、会社のイメージは即座に崩壊する。対策を講じなければ、閉鎖や倒産を待つだけだ。