第496章:協力業者の選定

曽田邦栄が来てからそう経たないうちに、プリンスホテルの支配人である百田松雄がやって来た。

プリンスホテルはZ市の四つ星ホテルで、安則郡の黒田陽次が経営する黒田ホテルとは比べものにならなかった。

この百田松雄はホテルの総支配人だった。

本来ならこのような大きなホテルでは、仕入れや取引に関して自ら出向くことはなく、仕入れ担当マネージャーを派遣するだけで十分なはずだった。

しかし、この百田松雄総支配人は自ら来て、さらに仕入れ担当マネージャーも連れてきていた。

百田松雄が再び鈴木家を訪れ、庭に入ると、そこにいた三人を見て一瞬驚いた。

藤の椅子に座っている明らかに妊娠している美しい女性と、その隣に座っているハンサムな男性。

この男性は座っているだけで、何か怠惰でいい加減な様子を見せていたが、決して無視できない存在感があった。