葉山雄大と真壁美々は大学の同室で、二人は親友同士でもあった。
真壁美々は大学時代から非常に優秀で、毎年奨学金や様々な賞を受賞していた。
優秀な真壁美々に対して、葉山雄大は心の中で劣等感を感じていた。
さらに、よく人々に真壁美々と比較されていた。
二人は親友なのに、なぜ真壁美々は奨学金を取れて、葉山雄大は取れないのか?
卒業後、真壁美々は直接雲城の最高の高校で担任になった。
一方、彼女は普通の高校でしか教えられなかった。
その後、多大な努力を重ねて、やっと雲城のインターナショナルスクールに転勤できた。
今や、まさに三十年河東三十年河西という状況だ。
もうすぐ全国トップの生徒を育てることができるのに、真壁美々はただ羨ましそうに見ているしかない。
そう考えると、葉山雄大は心の中で非常に得意になった。
トップ生徒の担任として、きっとテレビ局の記者にインタビューされるだろう。
葉山雄大は今、昔の友人や同級生たちがテレビで自分を見たときの反応をとても楽しみにしていた。
そのとき、彼らの表情はきっととても面白いものになるだろう。
葉山雄大はますます嬉しくなり、続けて言った:「そのとき、蒼井華和によってクラスの平均点が下がり、優秀教師の選考に影響が出ても、私が警告しなかったとは言えないわよ。」
「安心して、私は嫉妬しないし、あなたを責めたりもしないわ。」真壁美々は笑いながら言った。
親友のクラスから全国トップの生徒が出たことを、彼女は誇りに思うだけだった。
葉山雄大は真壁美々を見て、彼女が偽善的だと感じた。
自分がトップ生徒を育てたのに、真壁美々が嫉妬しないはずがない?
そんなことがあるわけない!
真壁美々の本心を知っていても、葉山雄大は直接指摘せず、続けて言った:「本当に蒼井華和を退学させないつもり?」
「うん。」真壁美々は頷いた。
「蒼井華和が蒼井真緒の姉だって知ってるの?」葉山雄大は続けて尋ねた。
「うん、知ってるわ。」真壁美々は答えた。
葉山雄大は目を細め、瞬時に悟った。
なるほど。
だから真壁美々は蒼井華和を退学させないのか。
真壁美々は蒼井真緒の姉だから、蒼井華和もそれほど悪くないと思っているに違いない。
賢い人も賢さゆえに間違えることがある!