033:やはり太っ腹!

高級車が前方に消えるまで、見物人の若者が携帯で検索した内容を見ながら言った。「さっきのおばあさんを送り届けた車の車種、知ってる?」

「知らないよ」

「シルベ」

シルベ?

シルベってどんな車?

彼らはベンツやBMW、アウディが高級車だということしか知らなかった。

もしかしてあのおばあさんを送り届けた車は、高級車でもなんでもなかったのか?

若者は続けて言った。「さっきのシルベは世界限定10台で、価格は1億円」

1億円!

おばあさんの身分が並ではないことは分かっていたが、まさか車1台が1億円もするとは思わなかった。

おばあさんの身分は相当なものに違いない。

こんな権力者と繋がりができれば、三代先まで楽に暮らせるのに。そう思うと、皆は先ほどおばあさんを助けなかったことを後悔した。特に最初におばあさんが転んでいるのを見つけた若者は。