034:お前が目が見えないのか、私が目が見えないのか?

早坂明慧が突然、蒼井真緒のことを尋ねると、蒼井龍と周防蕾香は一瞬驚いた。

周防蕾香はすぐに反応し、笑いながら言った。「真緒は上でピアノの練習をしています。少し恥ずかしがり屋なもので。」

そう言うと、周防蕾香は横にいた使用人に向かって、「お嬢様を呼んできてください。」と言った。

早坂明慧は笑いながら、「真緒がピアノの練習中なら、邪魔しない方がいいでしょう。」

視線を移すと、早坂明慧はリビングルームの本棚に目を留め、続けて言った。「これらの本は全て真緒が普段読んでいるものですか?」

「はい。」周防蕾香は誇らしげに頷いた。「この子は普段から本を読むのが一番の趣味なんです。」

早坂明慧は本棚の前に歩み寄った。

本棚には世界の名作が並んでいた。

古代エジプトの文字に関する本もあった。