若松峰也はその場に立ち尽くし、目には自嘲の色が浮かんでいた。
なぜ父親に期待を抱いたのだろうか?
とっくに分かっているはずなのに!
彼は父の目にはいつまでもダメ人間でしかないのだ。
もしかしたら......
ダメ人間以下かもしれない。
若松満志は怒りが込み上げ、若松峰也を指差して言った。「今日から、家のお金は一銭たりとも使わせない!」
事態が悪化するのを見て取った若松岳登は、適切なタイミングでソファから立ち上がった。「お父さん。」
「岳登」若松満志は手を上げた。「この件は君には関係ない。」
今となっては、父親である自分が峰也を厳しく躾けなければ、取り返しのつかないことになる!
苦労して築き上げた家業を峰也に台無しにされるわけにはいかない。
若松峰也は少し笑って言った。「お父さん、忘れたんですか?僕はもう随分前から家のお金は使っていませんよ。」