051:順調な師弟関係

その言葉を聞いて、人々は次々と感嘆の声を上げた。

「蒼井さんは、さすが河内市一の才女ですね」

「まさに、この曲は天上にのみあるべきもの、人間界ではめったに聴けないものですね!」

「......」

周防蕾香は目に笑みを浮かべながら、篠崎登世に向かって言った。「篠崎先生、私の娘の演奏はいかがでしたか?」

篠崎登世は頷いて、「とても素晴らしい演奏でした。まさに天上にのみあるべきもの、人間界ではめったに聴けないものと言えますね!」

今の大和国は、確かに国も民も強くなったものだ。

篠崎登世はずっと海外で生活してきた。

彼女は、国内でこれほど人を魅了するバイオリンの音色が聴けるとは思っていなかった。

バイオリンは西洋の楽器である。

そのため、国際的に認められているバイオリニストのほとんどが西洋人だった。

篠崎登世自身も海外で育った一人だった。

彼女は国内のバイオリンに対する信頼を失っていたが、今また希望を見出した。

たった今聴いた演奏には、まだ改善の余地があるものの、この少女は少し磨きをかければ、必ずやバイオリン界を震撼させる存在になるだろう。

篠崎登世の評価に、周防蕾香は心の中で大いに興奮し、笑顔で言った。「篠崎先生のお褒めの言葉、ありがとうございます。実は真緒はまだまだ先生には及びません。音楽の面で、彼女には先生から学ぶことがたくさんあります」

この言葉を聞いて、すぐにある富裕層の奥様が言った。「千里の馬は得難く、伯楽はさらに得難し。蒼井さんはこれほどの才能の持ち主なのですから、篠崎師匠、蒼井さんを弟子にされてはいかがでしょうか?」

篠崎登世もまさにそのつもりでいた。周防蕾香に微笑みかけ、「蒼井奥様、私にそのような幸運が巡ってくるでしょうか」

周防蕾香は事態がこれほどスムーズに運んでいることに驚き、すぐさま言った。「篠崎師匠が真緒を気に入ってくださるなんて、彼女の幸せです」

そう言うと、周防蕾香は使用人に指示した。「お嬢様を呼んでください」

「かしこまりました、奥様」

一方その頃。

蒼井華和はバイオリンを置き、音を調整していた。

どういうわけか、いくつかの音が、どう調整しても違和感があり、弦を交換する必要があるかもしれないと感じていた。