「行こう」
その時、如月廷真が突然口を開いた。
若松峰也が尋ねた。「どこに行くんだ?」
「猫を探しに」如月廷真が答えた。
若松峰也は「......」
一瞬、彼は如月廷真が冗談を言っているのか、本気なのか区別がつかなかった。
土曜日、ショッピングモールは人でごった返していた。
如月廷真は192センチの長身で、本当に背が高く脚が長く、さらに国を傾けるほどの美貌の持ち主で、威厳があり、群衆の中を歩くと、現代の若手俳優たちを何倍も上回る存在感を放ち、通り過ぎる人々が振り返って見つめるほどだった。
蒼井真緒も友人の守谷朝乃とショッピングモールに来ていた。
前方の人混みの中で、守谷朝乃が何かを見つけたようで、群衆の中のある人影を指さして言った。「真緒、あそこを見て」
蒼井真緒が顔を上げると、すらりとした背の高い人影が目に入った。