066:河内市へ向かう

周防稔真は朝倉俊真の言う友人にそれほど期待を抱いていなかった。

結局のところ、朝倉俊真自身もかなりの実力者なのに解決できない問題を、彼の友人が解決できるはずがないと思ったからだ。

ハッカー界では、同じレベルの実力者同士でしか友人になれないものだ。

佐藤みるくのような大物は、また別の交友関係を持っているはずだ。

周防稔真が佐藤みるくの連絡先を探し回っているとき、突然会社から電話がかかってきた。

朝倉俊真はまだ呆然としていた。「先、先輩、全ての問題が解決したんですか?」

「ああ!」周防稔真は続けた。「俊真、もう話す時間がないんだ。会議の時間が迫ってるから、後で君の友達のアカウントを送ってくれ。」

「はい。」

電話を切った後も、朝倉俊真は呆然としたままだった。

「どうだ?俺の師匠すごいだろう?」高城大樹が近づいてきて、朝倉俊真の肩を抱いた。