「分かりました」篠崎澪は急いで頷いた。「はい、はい、すぐに休みに行きます」
蒼井紫苑は立ち上がり、篠崎澪の腕を取って、彼女を階段まで送った。
高城ママは母娘の後ろ姿を見つめ、目を伏せて物思いに耽った。
すぐに三階に着いた。
蒼井紫苑は篠崎澪をベッドまで支え、「お母さん、おやすみなさい」と言った。
「おやすみ」篠崎澪は蒼井紫苑に言い聞かせた。「紫苑、あなたも早く休みなさい」
「はい」蒼井紫苑は頷いた。
言い終わると、蒼井紫苑は身を翻して歩き出したが、その時、篠崎澪が彼女の手を掴んだ。
「紫苑、ちょっと待って」
蒼井紫苑は振り返った。「お母さん、どうしたの?」
篠崎澪は蒼井紫苑を見つめ、「紫苑、今すぐ出発しましょう!もしお姉さんが突然河内市を離れてしまったらどうするの?」篠崎澪は今とても焦っており、すぐにでも河内市へ飛んで行きたい様子だった。