082:そう簡単ではない

この言葉を聞いて、矢野花音の顔が真っ青になった。

美容丸?

そんなはずがない!

蒼井華和が渡した美容丸は偽薬に過ぎないのに、どうして効果があるはずがあるの?

「高城おばさん、きっと何か勘違いしているわ」花音は続けて言った。「この間、他のスキンケア製品も使ったんじゃないの?」

蒼井華和が作った美容丸なんて、効果があったとしても、悪い効果しかないはず!

ゴミはいつまでもゴミでしかない。

高城おばさんは笑いながら言った。「奥様もご存知の通り、私なんて粗野な人間ですから、普段スキンケア製品なんて使いません。この間は奥様からいただいた美容丸だけを使っていました」

そう言って、高城おばさんは続けた。「まさかこの美容丸がこんなに効果があるなんて!」

高城おばさんは今でも信じられない様子だった。