この言葉を聞いて、矢野花音の顔が真っ青になった。
美容丸?
そんなはずがない!
蒼井華和が渡した美容丸は偽薬に過ぎないのに、どうして効果があるはずがあるの?
「高城おばさん、きっと何か勘違いしているわ」花音は続けて言った。「この間、他のスキンケア製品も使ったんじゃないの?」
蒼井華和が作った美容丸なんて、効果があったとしても、悪い効果しかないはず!
ゴミはいつまでもゴミでしかない。
高城おばさんは笑いながら言った。「奥様もご存知の通り、私なんて粗野な人間ですから、普段スキンケア製品なんて使いません。この間は奥様からいただいた美容丸だけを使っていました」
そう言って、高城おばさんは続けた。「まさかこの美容丸がこんなに効果があるなんて!」
高城おばさんは今でも信じられない様子だった。
そもそもシミというのは、消したいと思っても簡単には消えるものではなく、高級なスキンケア製品でもこれほどの効果は出ないのだ。
高城おばさんは蒼井華和に直接お礼を言いたかった。
もし蒼井華和が美容丸を持ってこなかったら、こんな良い思いはできなかったはずだ。
まさか蒼井華和があんなに若いのに、こんなにすごいなんて!
矢野花音は高城おばさんの顔をじっくりと観察した。
よく見ると、高城おばさんの肌は血色が良く、高級エステを受けた以上の効果があった。
もしかして、あの美容丸は本当に効果があるの?
矢野花音は目を細めた。
いいえ。
そんなはずがない。
蒼井華和のような田舎娘が、基本的な医学知識も持っていないのに、どうして名医白問と同じような効果のある美容丸を作れるはずがあるの?
それはまったくの荒唐無稽だわ。
表面的な現象、これは絶対に表面的な現象よ。
化学物質をたくさん含んだ有害なフェイスマスクと同じで、最初は効果があるように見えても、時間が経てば様々な副作用が出てくるはず。
「言っておくけど高城おばさん、まだ喜ぶのは早いわよ。もしこれが一時的な効果だったら?そのうち顔が腐り始めたら、後悔しても遅いわよ」
高城おばさんは矢野花音を見て、「奥様、ご心配なく、絶対に顔が腐ったりしませんよ」
この美容丸は内服薬だから、もし何か問題があれば、すぐに体調の異常を感じるはずだけど、飲んでからむしろ朝起きた時に体中に力が満ちているような感じがした。