094:万能な華和_4

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河内市。

北橋高校。

蒼井華和は非常に早く来て、ほぼクラスで一番最初に教室に来た生徒だった。

橘忻乃は蒼井華和の後ろについて教室に入ってきて、入るなり慌てて声を上げた。「蒼井美人、蒼井美人!」

「どうしたの?」

橘忻乃は鞄を机の中に入れながら、「宿題全部終わった?」

「うん」蒼井華和は軽く頷いた。

橘忻乃は両手を合わせて、「じゃあ、写させて!この数日間家で遊びすぎちゃって、宿題一問も手付かずなの」

休みに入る前、橘忻乃は早々に計画を立てていた。休暇初日に宿題を全部終わらせて、二日目は復習、三日目も復習して、来る月例テストに備えるつもりだった。

しかし休暇に入ると、計画は完全に崩壊した。

一日目はゲーム、二日目もゲーム、三日目になってようやくゲームから離れたと思ったら、今度は女友達に誘われて買い物に行ってしまった。