肌は白く、近くで見ても毛穴一つ見えないほどで、千年に一度出会えるような翡翠のようだった。
視線を上に向けると、小さな鼻先と通った鼻筋が見えた。
そして長く濃い睫毛は、心を魅了する蝶のよう。
如月廷真は思わず手を伸ばした。
しかし次の瞬間、素早く手を引っ込め、ただ彼女を見つめていた。
その時、少女の睫毛がかすかに震えた。
目覚めそうなのに気付いた廷真は、すぐに目を閉じた。
蒼井華和は目を開け、最初は少し呆然としていたが、すぐに我に返り、立ち上がって廷真の額に手を当てて熱を確かめた。
「うん、熱は下がったわね」
華和が手を引こうとした時、廷真は目を開いた。
視線が合い、二人とも一瞬固まった。
彼はその澄んだ桃色の瞳に溺れ、まるで溺れる者のように、抜け出せなくなっていた。