蒼井真緒は須藤大婆様のことを一言も言及しませんでしたが、全ての非難を須藤大婆様に向けていました。
須藤悠翔は眉をひそめました。
彼は分かっていました。きっと須藤大婆様が蒼井真緒に会いに行ったのだと。
結局のところ、須藤大婆様は最初から蒼井真緒のことが気に入らなかったのです。
須藤悠翔は蒼井真緒を見上げて言いました。「おばあちゃんが君に会いに行ったの?」
蒼井真緒は最初うなずき、その後首を振りました。「いいえ、ショッピングモールで偶然お会いしただけです。」
偶然会った?
そんなはずがない!
きっと須藤大婆様が積極的に蒼井真緒に会いに行ったのだ。
ただ蒼井真緒が優しすぎて、須藤大婆様の面子を立てようとしているだけなのだ。
「真緒、もうおばあちゃんの言い訳はしなくていい。君に非はないことは分かっている。おばあちゃんの代わりに謝らせてくれ。」