少女は十七、八歳くらいで、黒いワンピースを着て、同じ色のベルトを腰に巻いていた。
もともと細い腰は、今や手で包めそうなほど華奢だった。
Vネックのデザインで、雪のように白い肌と美しい弧を描く白鳥のような首が覗き、黒髪は後ろに流れ、談笑する度に優雅に揺れていた。
その気品は、ランウェイのモデルをも凌駕するほどだった。
春日吉珠は彼女を見て、心が大きく揺さぶられた。
河内市にこんな美しい少女がいたのだろうか?
少女は久世先生の方を振り向いて、「久世先生、お仕事に戻ってください」と言った。
「では失礼します。蒼井さん、何かありましたらLINEでご連絡ください」
「はい」
蒼井華和は軽く頷いて、その場を去った。
蒼井華和が去るのを見送った久世先生は、小走りで春日吉珠の元へ来て、「蒼井奥さん、いらっしゃいましたか」と声をかけた。