112:華和が出る_3

如月大爺様の病は帝都一の名医でさえ手の施しようがなかった。

しかし、早坂明慧の目には、それはまるで風邪や発熱のような些細な病気のように映っていた。

漢方薬を一服?

白川雪乃は如月佳織の娘が夢野空さんを呼べることを非常に妬ましく思っていたが、このような時、彼女は如月佳織と同じ立場を取らなければならなかった。

長男一家に如月大爺様を殺させるわけにはいかない。

「お義姉さん、私たちはあなたを信じていないわけではありませんが、あなたの言葉には全く信憑性がないのです。」

信憑性のない話を、どうやって信じろというのか?

「夢野空さんは第一の名医ですが、廷真の婚約者は何なのですか?」

白問はすでに何年も姿を消している。

夢野空が今は第一なのだ。

早坂明慧は口を開きかけたが、言葉が出なかった。