123:実の祖母のように_4

「行ってらっしゃい。」

蒼井陽翔はトイレの方向へ歩いていった。

その時、蒼井紫苑が庭園の入り口に立って彼に手を振った。「お兄ちゃん、こっちよ。」

蒼井陽翔が近づいて、「どうしたの、紫苑?」

蒼井紫苑は笑いながら言った。「お兄ちゃん、結構賢いじゃない。私について来るって分かってたの?」

「僕がそんなにバカに見えるの?」蒼井陽翔は蒼井紫苑の頭を軽く叩いた。

蒼井紫苑は中を覗き込んで、「気付いた?」

「何に?」蒼井陽翔は少し好奇心を覚えた。

蒼井紫苑は続けた。「華和姉のことよ!華和姉って何か見覚えがあるって思わない?」

「そう?」蒼井陽翔は尋ねた。

蒼井陽翔のこの反応を見て、蒼井紫苑は思わずほっとため息をついた。そして続けた。「昨日、二番目のお兄ちゃんに好きな人ができたって言ったでしょ?」