シュッ!
ダーツが素早く放たれた。
パン。
そして、ダーツボードにしっかりと刺さった。
赤い的の中心に命中。
「すげえ!夏目さんやるな!」
「女傑だ!」
「これで蒼井華和は終わりだな。夏目さんと勝負しようなんて、どこからそんな勇気が出てきたんだ?卵で岩を砕くようなものじゃないか?」
「笑えるよ、自分が綺麗だから、みんながストリップショーをさせたくないと思うと思ったんじゃない?」
「もしかしたら、そういう趣味があるのかもね!」
「......」
周りから笑い声が絶えなかった。
その声を聞きながら、夏目望美は口角を上げた。
そのとき、橘忻乃が横から近づいてきて、結城詩瑶に不思議そうに尋ねた。「詩瑶、これはどういうこと?」
結城詩瑶は事の概要を橘忻乃に説明し、証文を渡した。
事の経緯を理解した橘忻乃は、眉をひそめながら夏目望美を見上げた。「夏目望美、やりすぎじゃないの?」