これは当然のことだ。
蒼井真緒以外に、拝金主義でない女の子なんていない。
それに、今夜ここで蒼井華和に会ったのも偶然ではないはずだ。
蒼井華和は他の場所から自分の予定を聞き出して、わざわざ来たのだろう。
これまでの人生で、須藤悠翔は多くの追っかけに遭遇してきた。
しかし、蒼井華和ほど執着する人は初めてだった。
蒼井華和の行動は恐ろしいとさえ感じる。
なぜなら、どこにいても。
必ず蒼井華和に出会うチャンスがあるからだ。
そう考えると、須藤悠翔は眉をしかめ、目には嫌悪の色が浮かんだ。
蒼井真緒は続けて言った:「お姉さまは私に何も言わなかったけど、私にはわかるの。お姉さまはあなたのことが好きなの。だから、私はお姉さまに私たちが一緒にいるところを見られたくないの。誤解されたら困るもの。私はお姉さまと争いたくないわ。それに、お姉さまが如月廷真のことを全く眼中に入れていないことも分かっているわ……」