126:大物の待遇_5

「なぜ?」林凛夜が尋ねた。

須藤悠翔は言った。「国内の有名なハッカーの中に女性はいない。」

国内だけではない。

海外でも、女性ハッカーはほとんどいない。

だから、須藤氏の危機を解決した達人が男か女かは、一目瞭然だった。

林凛夜は鼻を触りながら、「それは分からないよ。今は凄腕の女性も多いし。」

「例外的な事例だ。」

須藤悠翔は性差別をする人間ではなく、ただ事実に基づいて話をしていた。

林凛夜は続けた。「もし彼女が女性だったら、見逃すことになるんじゃない?」

須藤悠翔は眉を少し上げて、「万分の一の可能性が起こると思うか?」

その確率は億万長者になるようなものだ。

ほぼ不可能だ。

林凛夜は笑って言った。「それはそうだね。」

「社長。」

その時、アシスタントが口を開いた。

「どうした?」須藤悠翔はアシスタントを見た。