その瞬間。
篠崎澪は自分の耳を疑った。
蒼井琥翔を見つめたまま、目が真っ赤になった。
「母さん」蒼井琥翔は一言一言はっきりと言った。「妹が見つかりました」
「琥翔、もう一度言って」
彼女は十八年探し続けた。
十八年想い続けた。
十八年考え続けた。
この十八年の間、何度も希望を抱き、そしてその度に失望を味わってきた。
その気持ちは誰にも分からない。
何度も夜中に目が覚めて、枕に触れると、いつも濡れていた。
今の彼女は、もうどんな打撃にも耐えられない。
「母さん、間違いありません。妹が見つかりました」蒼井琥翔は続けた。
確かな答えを聞いて、篠崎澪は足の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
バン!
「紅音!」
次の瞬間、普段の上品な口調を忘れ、顔を覆って号泣し、悲鳴に近い声を上げた。