126:大物の待遇_3

「紫苑の言う通りだ」と蒼井陽翔は続けた。「母さん、最悪の場合でも、紅音が見つからなくても、紫苑がいるじゃないか」

蒼井紫苑はこんなに孝行で、篠崎澪にこんなに優しく、実の娘と何も変わらない。

実際、篠崎澪は蒼井紅音を探すことにこだわる必要など全くない。

血のつながりがそんなに重要なのだろうか?

見つからない!

この三文字を聞いて、篠崎澪の表情が急変し、胸の内は複雑な思いで一杯になり、息をするのも困難になった。

蒼井琥翔は眉をひそめ、蒼井陽翔を見つめて言った。「黙れ!」

そう言うと、篠崎澪の方を向いて笑顔で言った。「お母さん、陽翔の戯言なんか気にしないで。諦めなければ、必ず妹は見つかります。私たちは妹と一緒に家族写真を撮るのを待っているんですから」

普段なら家族写真という言葉を聞くだけで、篠崎澪の目は期待に満ちていたものだ。