131:華和兄が人生を教える、真の人間富貴花!_5

蒼井紫苑は最近二日間、蒼井華和に打ちのめされていた。

英語にしても、生物学の知識にしても、蒼井華和は何でも知っているようだった。

そんな時、篠崎澪がまた目の前で蒼井華和を褒め始めた。

幸運の星?

蒼井華和のどこが幸運の星なのか?

蒼井大婆様を治したのは医者であって、蒼井華和ではない!

蒼井紫苑には理解できなかった。なぜみんなが蒼井華和にそんなに優しいのか。

「お母さん、その通りです。私も姉さんは私たちの家の幸運の星だと思います!」蒼井紫苑は続けて言った。「そうそう、ドレスは姉さんに届けましたか?」

「ええ、届けたわ」篠崎澪は頷いた。

蒼井紫苑の目の奥に暗い影が走った。

やっぱりそうだ。

ドレスを届けるのも、篠崎澪は彼女に先に届けることはない。

篠崎澪は何事も実の娘を一番に考える。

笑止千万だ。

「それは良かったです。姉さんはとても綺麗だから、特別なドレスを着たらきっともっと素敵でしょう」

篠崎澪は笑顔で頷き、「紫苑、早くドレスに着替えなさい。もうすぐホテルに出発するわ」

「はい」

蒼井華和に負けないように、蒼井紫苑は化粧台の前に座り、メイクを一からやり直した。

そして、蒼井紫苑は大切にしているアクセサリーを取り出した。

MISSソンのコラボネックレス。

これは限定品だ。

蒼井華和が手に入れられるはずがない。

それにルビーの指輪もある。この指輪は十八歳の誕生日に蒼井修誠からもらったものだ。

指輪というより、骨董品と言った方がいい。

なぜなら、この指輪はかつてK国王室の婚約の証だったから。

指輪とネックレスを身につけた後、蒼井紫苑は小さな王冠を取り出し、アップにした髪に載せた。

この小さな王冠は508個のダイヤモンドで作られており、一つ一つのダイヤモンドがコレクターズアイテムのレベルに達している。

蒼井華和に見せつけたかった。

彼女が蒼井家にいなかった年月の間、蒼井家の者が彼女をどれだけ愛していたか、そして本当の蒼井家のお嬢様である彼女だけが、これらのものを持つ資格があることを!

全て整えた後、蒼井紫苑はドレスに着替え、優雅な足取りで階下へ向かった。

白いキャミソールドレス。

純粋さと優雅さを兼ね備えている。

蒼井紫苑の丹念なメイクと相まって、まるでレッドカーペットを歩くスターのようだった。