蒼井紫苑にぴったりな言葉がある。
お姫様の運命を持っていないのに、お姫様病にかかっている。
蒼井大婆様も紫苑を本当の孫娘のように扱おうと考えたことがあった。
しかし、他人は結局のところ他人だ。
蒼井家の者がどれほど紫苑を可愛がり、実の娘のように接しても、紫苑は蒼井家の者に対して本心を見せることはなく、いつも嫌味な態度を取っていた。
次第に、蒼井大婆様は彼女への期待を失っていった。
榊原大婆様は笑いながら言った:「そんな言い方をしないで、紫苑は蒼井家の次女のお姫様じゃないの。」
「私の紅音でさえお姫様を名乗らないのに、彼女がどうしてお姫様なんですか?」蒼井大婆様は反問した。
その言葉はもっともだった。
道理から言えば、蒼井華和の方が蒼井家のお姫様という称号にふさわしい。