「それは簡単です。電力会社に電話をかけて確認すればいいでしょう」
「はい」蒼井華和は軽く頷いて、「それと、私たちの毎日のメニューを見せていただけますか」
蒼井家には専属のシェフがいて、毎日のメニューも決められており、おやつや夜食を含めて勝手に変更することはできなかった。
お年寄りが突然他のものを食べたいと言わない限りは。
そう言うと、蒼井琥翔はメニューを持ってくるように人を遣った。
蒼井大婆様が事故に遭った日は27日だった。
昼食以外は、夕食と朝食は皆で一緒に食べていた。
朝食は洋食と和食に分かれていた。
通常、蒼井大婆様と蒼井修誠だけが和食を好み、他の人々は洋食を食べていた。
そして昼食。
大婆様は麺類が好きで、昼食は簡単な醤油ラーメンだった。
彼女はいつも質素な生活に慣れていて、一人の時は腹が満たせるものなら何でも食べていた。
もしかして、昼食に問題があったのだろうか?
もし夕食と朝食に問題があったのなら、蒼井大婆様だけが事故に遭うことはなかったはずだ。
蒼井華和は眉をひそめた。
蒼井琥翔は料理長も呼んできた。
蒼井華和は料理長に向かって尋ねた。「これら以外に、その日おばあさまは何か他のものを食べましたか?」
料理長は今年50歳くらいで、かつては無星のホテルの料理長を務めていた。
蒼井華和の質問に対して、料理長は一生懸命思い出そうとして、そして言った:「お嬢様、時間が経ちすぎて、大婆様がその日主食以外に何か食べたかどうか忘れてしまいました。ただ覚えているのは、昼の醤油ラーメンは大婆様が自分で作られたことです。部隊で食べた味が忘れられないとおっしゃって、私たちが作るのとは違うと」
それを聞いて、蒼井華和は眉をひそめた。
もしそうだとすれば.......
三食とも問題がないということになる。でも三食全てに問題がないのなら、一体どこに問題があるのだろう?
どうやら、この件を解明するには、蒼井大婆様に聞かなければならないようだ。
蒼井琥翔は料理長を見て、続けて言った:「若松師匠、聞きたいことは全て聞きましたので、お戻りください」
「かしこまりました、若旦那様」
若松料理長が戻ろうとした。
すると、蒼井琥翔が続けて声をかけた。「若松師匠、ちょっと待ってください」