137:J様登場、華和兄が人としての道を教え続ける!(2)

言い終わると、彼女は召使いの後を追って歩き出した。

蒼井華和が追いかけてくるのを見て、召使いは一瞬戸惑い、振り返って蒼井華和を見た。「お嬢様?」

「他に何かありますか?」

「お着替えになりませんか?」蒼井華和の服装はとてもシンプルで、ジーンズに白のニットカーディガン、すっぴんだった。召使いは続けて言った。「今日は白川さんもいらっしゃいますよ。次女様は化粧に1時間もかけられましたのに。」

帝都の白川家は、とても神秘的な家系だった。

先祖に皇族の血が流れているという。

家には金庫もあるという。

今日来ているのは、まさに白川家の当主、白川さんだった。

この白川さんは家系で九番目、名前は不詳で、上に八人の姉がいるため、外では白川九番目様と呼ばれていた。

また、上に八人の姉がいたため、白川九番目様が生まれた後、白川家の老夫人は唯一の孫息子を命より大切にし、少しの苦労もさせまいと、まさに口に含んでも溶かすまいと、手に持っても落とすまいと大切にした。

「結構です」蒼井華和は淡々とした口調で言った。「行きましょう」

「はい」召使いは蒼井華和を一目見て、その後を追った。

やはり人それぞれ違うものだ。

蒼井華和は化粧をしなくてもこんなに綺麗なのに、蒼井紫苑のすっぴんは一度も見たことがない。

最も重要なのは、蒼井華和には作為的な感じが全くなく、一緒にいても全くプレッシャーを感じない。

一方、蒼井紫苑からは表面的な笑顔しか感じられない。

つまり、確かに笑顔を見せているのに、全く親しみを感じられないのだ。

召使いは蒼井華和の足取りに付いて行きながら、続けて言った。「お嬢様、ご主人様とお奥様は庭園にいらっしゃいます。白川さん以外は、ご主人様のビジネスパートナーばかりですから、緊張なさらなくて大丈夫ですよ」

「わかりました」

まもなく、蒼井華和は庭園に到着した。

今日は天気が良かった。

陽光明媚。

蒼井華和が来るのを見て、篠崎澪はすぐに立ち上がった。「皆様にご紹介します。こちらが私の長女の蒼井華和です」

蒼井家の者たちの相談の結果、蒼井華和という名前を維持し、紅音は愛称として残すことに決めた。

蒼井華和を見て。

蒼井紫苑の目の奥に一瞬光が走った。

言い終わると、篠崎澪は続けて言った。「華和、こちらが白川家の当主、白川さんです」