【直感で分かったわ。あの学業優秀な妹は単純じゃない。お婆様の釈明は一目瞭然で、彼女は意図的に世論を操作しているみたい。】
【......】
蒼井紫苑も蒼井大婆様の返信を見た。
蒼井家で長年暮らしてきた蒼井紫苑は、初めて蒼井大婆様がWeiboを使っていることを知った。しかも登録してから10年以上経っていた。
そして彼女のフォロワーの中に、蒼井大婆様のフォローがなかった。
蒼井大婆様は一体何のつもり?
蒼井紫苑がこの問題に気付いたように、ファンたちも気付いていた。
蒼井大婆様が偏愛していると疑問を投げかけ、蒼井紫苑に慰めのDMを送る人もいた。
蒼井紫苑は唇を噛んだ。
彼女の心は完全に冷え切っていた。
蒼井大婆様は彼女をフォローしなくてもいい。でもそこまで冷たくする必要はない。蒼井紫苑は蒼井大婆様のWeiboを開き、フォローした。
数分もしないうちに、蒼井大婆様のフォロワーは10万人を超えた。
蒼井大婆様は蒼井華和と話していて、まだフォロワーがこんなに増えたことに気付いていなかった。
「お婆様、階段から落ちた日の昼食は何を食べたか覚えていますか?」
「確か私が作った阳春麺だったわ。華和、なぜそんなことを聞くの?」
蒼井大婆様がそれほど鮮明に覚えているのは、その日が特別な日だったからだ。毎年その日には、自分で阳春麺を作って食べるのが習慣だった。
蒼井華和は目を細めた。
若松料理長の記憶が正しかったようだ。蒼井大婆様は確かに自分で麺を作っていた。
「朝食と昼食は?」蒼井華和は続けて尋ねた。「みんなと一緒に食べましたか?」
「そうよ」蒼井大婆様は頷いた。
「通常の食事以外に、何か食べましたか?例えば滋養食とか?」蒼井華和は更に尋ねた。
「いいえ」蒼井大婆様は焦って言った。「華和、一体何があったの?なぜこんなことを聞くの?」
蒼井華和は正直に言った。「兄と私は、お婆様が階段から落ちたのは事故ではなく、誰かの仕業だと疑っています」
蒼井大婆様は眉をしかめた。「でもその日は本当に他の物は何も食べてないわ。毒を盛られたとは思えないけど」
毒という言葉を口にした時、蒼井大婆様の眉間がピクリと動いた。
彼女は銃弾の雨をくぐり抜けてきたが、陰謀や策略は経験したことがなかった。
毒を盛るなんて、宮廷ドラマでしか見たことがなかった。