156:カリスマ溢れる華和、真の帝都サークルの令嬢!(2更)

とても静かな声。

感情がほとんど感じられないのに、力強く響く。

須藤芽里は頭皮に激しい痛みを感じた。一体誰がそんな大胆なことをして、橘忻乃と結城詩瑶の味方をするのだろう?

しかも彼女の髪を掴むなんて?

それに、その声がどうしてこんなに聞き覚えがあるの?

まさか......

蒼井華和?

いいえ!

そんなはずない!

蒼井華和は帝都に行ったはず、もう二度と戻ってこないはず。

須藤芽里は喉を鳴らし、顔を上げた。

その瞬間。

彼女は完全に凍りついた。心の底から恐怖が広がっていく。

少女の顔立ちは窓から差し込む陽光に包まれ、少しぼんやりとしていた。身長は173センチほどで、160センチの須藤芽里より一頭分以上高く、圧迫感が強かった。

全身から強烈なオーラを放ち、背筋が凍るような雰囲気だった。

これは......

蒼井華和だ!

須藤芽里は完全に呆然となり、「そう、そう......」

本当に蒼井華和だった!

蒼井華和はいつ戻ってきたの?

「華和兄!」

「蒼井美人、戻ってきたの!」

結城詩瑶と橘忻乃は蒼井華和を見て、幻を見ているのかと思うほど喜び、興奮して叫んだ。

蒼井華和は軽く振り返り、「うん、戻ってきたわ。」

結城詩瑶と橘忻乃は走り寄り、興奮して蒼井華和を抱きしめた。「華和兄、やっと戻ってきた。」

「蒼井美人、うぅ......」

結城詩瑶と橘忻乃の今の気持ちは誰にも分からないだろう。

たった今。

彼女たちは学校で最も暗い出来事を経験したばかりだった。

学校と言えば、多くの人の印象では青春が輝き、思い出に満ちた場所だ。

しかし、そんな場所でも。

それは小さな社会のようなもの。

昼も夜もある。

そして暗闇に包まれた昼間もある。

この時、蒼井華和は彼女たちにとって、暗闇を突き破る一筋の光のように、暗闇に包まれた彼女たちを照らした。

今、結城詩瑶と橘忻乃の状態はあまり良くなかった。

二人とも、一人は髪が乱れ、上着も引き裂かれていた。

もう一人は顔に鮮明な平手打ちの跡があった。

蒼井華和は須藤芽里の髪を掴んだまま、怒りを抑えながら言った。「詩瑶、忻乃、朝倉小春が先ほどあなたたちにしたことを、そのまま仕返ししなさい。」

何かあっても、彼女がいる。

蒼井華和の後ろ盾を得て、橘忻乃と結城詩瑶は完全復活した。