西園寺雅乃は真壁母をそのように見つめていた。
目の奥には嘲笑の色が満ちていた。
今日になってようやく、義母の本性が見えてきた。
会社を真壁駿介に譲り渡し、彼女には真壁駿介と愛人の子供の面倒を見させる。
彼女を完全な専業主婦に変え、真壁駿介が機を見て彼女の会社を乗っ取り、彼女の権限を奪い、西園寺グループを完全に真壁グループに変え、彼女の最後の価値を搾り取った後で、彼女を蹴り出す。
いい算段だ。
母子二人でよくもまあ、こんな算段を立てたものだ。
似たような話を、真壁母は彼女の前で一度ならず言っていた。どうして以前は真壁母の「良かれと思う心遣い」に気付かなかったのだろう!
笑止だ!
本当に笑止だ!
西園寺雅乃が黙っているのを見て、真壁萌香は続けて言った。「お義姉さん、母さんの言う通りよ!女は家で大人しく子育てするのが一番いいの。諺にもあるでしょう?夫は外、妻は内って。今、お兄さんとの間に子供もできたんだから、これからは家計のことはお兄さんに任せればいいのよ!」