157:如月廷真は静園さんだった!_3

母親のそんな様子を見て、如月廷真は薄い唇を開いた。「母さん、先に二階に上がります。」

「ちょっと待って。」早坂明慧は如月廷真にカードを渡した。「これを持っていなさい。」

そう言って、早坂明慧は続けた。「このカードには五百万円入っているわ。使い切ったら、また母さんに言いなさい。華和とお付き合いするなら、絶対に女の子にお金を使わせてはダメよ。品がないし、紳士的じゃないわ。」

「母さん、僕はお金に困ってません。」如月廷真はカードを母親に返そうとした。

「取っておきなさい!」早坂明慧は直接カードを如月廷真のポケットに入れた。

「本当に要りません。」

そのとき、如月大爺様が階段を降りてきた。「お前の母親からのを断るなら、私からのは受け取るだろう?」

「おじいちゃん、本当に今はお金に困ってないんです。」如月廷真は続けた。「峰也と一緒にプロジェクトに投資して、今は利益が出始めているんです。」