このことを思い出すだけで、篠崎月蓉は腹が立って仕方がなかった!
息子たちなのに。
普段からあの役立たずに余分な分け前を与えているのに?
あの役立たずに何の資格があるというの?
それを聞いて、早坂明慧は篠崎月蓉を見上げて言った。「月蓉、その言い方は酷すぎないかしら?廷真はただ一時的に低迷期にいるだけよ。私は彼がいつか這い上がってくると信じているわ!」
母親として、どんな時でも自分の息子を信じていた。
彼女は如月廷真がきっと立ち上がり、皆を驚かせると信じていた!
その言葉を聞いて、篠崎月蓉は思わず笑いそうになった。
這い上がる?
如月廷真が?
それは一億円の宝くじに当たる確率よりも低いわ。
男は三十にして立つ。
如月廷真は今年26歳で、あと4年で而立の年だというのに、今に至るまで親のすねかじりの状態。こんな人間が再び立ち上がるなんて、生まれ変わらない限り無理でしょう。