157:如月廷真は静園さんだった!_2

このことを思い出すだけで、篠崎月蓉は腹が立って仕方がなかった!

息子たちなのに。

普段からあの役立たずに余分な分け前を与えているのに?

あの役立たずに何の資格があるというの?

それを聞いて、早坂明慧は篠崎月蓉を見上げて言った。「月蓉、その言い方は酷すぎないかしら?廷真はただ一時的に低迷期にいるだけよ。私は彼がいつか這い上がってくると信じているわ!」

母親として、どんな時でも自分の息子を信じていた。

彼女は如月廷真がきっと立ち上がり、皆を驚かせると信じていた!

その言葉を聞いて、篠崎月蓉は思わず笑いそうになった。

這い上がる?

如月廷真が?

それは一億円の宝くじに当たる確率よりも低いわ。

男は三十にして立つ。

如月廷真は今年26歳で、あと4年で而立の年だというのに、今に至るまで親のすねかじりの状態。こんな人間が再び立ち上がるなんて、生まれ変わらない限り無理でしょう。